名古屋ペインクリニック|免疫療法
名古屋麻酔科クリニック・免疫療法について
1.ケタミン療法
ケタミンはもともと全身麻酔用の薬剤で昔から使われていた。そのNMDA受容体を非競合的に拮抗する作用により、慢性痛はじめオピオイド耐性、依存症などを強力に軽減させる。 また、治療抵抗性のうつ病に対し即効性に(投与2時間後)かつ長期持続性に(1週間)、抗うつ作用を示すとされる。このことから、うつ傾向と慢性痛を併せ持つ症例に、ケタミンの鎮痛効果を高めているとされる。 当院では、他の治療法では痛みのコントロールが困難で、医師が必要と判断した場合に限り、ケタミンを点滴で投与する治療を行っている。
 
2.ノイロトロピン点滴
ワクシニアウイルスを接種した家兔の炎症皮膚組織から抽出した非タンパク質性生理活性物質を含有する製剤で、薬理作用は①痛みの下行性抑制系の賦活、②ブラジキニン産生抑制、③局所血流改善にある。 副作用がほぼないのが特徴とも言える。
 
3.イオントフォレーシス
局所麻酔薬などを塗るだけでは皮膚を浸透しにくいので、電気を通すことにより薬液をイオン化させ皮膚の奥まで浸透させる治療法です。(ちなみにビタミンCでは、皮膚に塗るだけよりイオン化させると300~500倍ほど浸透しやすくなるデータがあります。) 帯状疱疹後神経痛などに用いられます。
 
         



 
名古屋麻酔科クリニック・免疫療法について

**ペインクリニックにおける心理療法とは**

1986年に国際疼痛学会(IASP)では、痛みを
「実際に起こった組織損傷あるいは潜在的に起こりうる可能性のある組織損傷に関連した、または、このような組織損傷があるように言葉を使って述べられる、不快な感覚的・情動的体験である」 と定義しています。

この定義から、痛みには、「痛い」と感じる感覚的な側面(=身体的・肉体的な痛み)と、痛みによって「つらい」「苦しい」と考える情動的な側面(=精神的・心理的な痛み)の2つの側面があることがわかります。このように痛みには、単なる感覚という身体的な問題だけでなく、不快感・不安・恐怖・苦しみなどのネガティブな感情を伴うという心理的な問題でもあるということです。

さらに、痛みと心理的な問題に関して言えば、例えば、精神的にダメージを受けている時には、心理的な働きが影響して、それをそのまま身体的な痛みとして感じることがあります。また、不安やストレスを感じている時には、痛みを普段よりも強く感じたりもします。このように痛みとは、主観的な苦痛体験と言え、痛みと心理的な要素とを切り離して考えることは不可能です。

患者さんの疼痛の体験のされ方や疼痛への反応の仕方には、心理的な要素や動機づけ、取り巻く環境等が関連している場合がありますのでペインクリニックにおける心理療法では、痛みを心理的面から治療していきます。具体的には、心理学的アセスメント(質問、心理検査、観察)を行った後、各種理論に基づいた心理療法から、患者さんに合った適切なものを用いて、患者さんの痛みの軽減やみに阻害された日常生活が改善していくことを目標とします。

精神・心理的痛み、社会的痛み

患者は身体的痛みと共に、必ず精神的痛みをもっています。その主な症状は不安、いらだち、孤独感、恐れ、鬱状態、怒りなど様々です。精神的な痛みのケアの基本は、十分な時間をとって、患者の言葉に耳を傾けることです。
精神的痛みへの対応:「患者のそばに座り込むこと」「感情に焦点を当てること」「安易な励ましを避ける」「理解的態度」
社会的痛みがその患者さんをもっとも悩ませる場合もあります。たとえば、腰痛を訴えながら、遺産の問題で死を迎える直前まで悩んだ患者さんがありましたが、この患者さんの場合、身体的痛みよりも、社会的痛みの方が患者を苦しめました。そのほか、仕事上の問題や家族内の人間関係が患者を悩ませる場合もあります。

患者は身体的痛みと共に、必ず精神的痛みをもっています。その主な症状は不安、いらだち、孤独感、恐れ、鬱状態、怒りなど様々です。精神的な痛みのケアの基本は、十分な時間をとって、患者の言葉に耳を傾けることです。 精神的痛みへの対応:「患者のそばに座り込むこと」「感情に焦点を当てること」「安易な励ましを避ける」「理解的態度」
社会的痛みがその患者さんをもっとも悩ませる場合もあります。たとえば、腰痛を訴えながら、遺産の問題で死を迎える直前まで悩んだ患者さんがありましたが、この患者さんの場合、身体的痛みよりも、社会的痛みの方が患者を苦しめました。そのほか、仕事上の問題や家族内の人間関係が患者を悩ませる場合もあります。

スピリチュアルペイン

スピリチュアルとは、人間として生きることに関連した体験的一側面であり、身体感覚的な現象を超越して得た体験を表す言葉です。
多くの人々にとって”生きていること”がもつスピリチュアルな側面には宗数的な因子が含まれていますが、スピリチュアルは”宗教的”と同じ意味ではありません。

スピリチュアルな因子は身体的、心理的、社会的因子を包含した人間の“生”の全体像を構成する一因子とみることができ、生きている意味や目的についての関心や懸念と関わっている場合が多いのです。特に人生の終末に近づいた人にとっては、自らを許すこと、他の人々との和解、価値の確認等と関連していることが多いようです。

(スピリチュアルペインヘの対応)

1.「共感的態度」
2.「死後の世界のイメ-ジを語り合う」
3.「希望の共有」
4.「ユーモアからくる慰め」
5.「愛を感じさせる言動」

→無意識的な、心と心で伝達される、単なる言葉ではない何かが必要とされるのでは・・・

日頃から、死について考え巡らしセンスを養っておくことや、生の意味や目的、存在の価値について自然と伝わるように考えておくことが大切と考えております。

**心理療法の紹介**

-精神分析療法(Psychoanalysis)-

主に夢を題材にして話がすすめられます。精神的な安定、身体的な健康のためには、無意識と意識は統合的に結合の方向を向き動いていなければなりません。それが分離されている状態では、心理的な障害を引き起こします。この葛藤、症状に耳を傾け、見つめ、抱え、受け止めてゆく営みが主眼となります。当院の精神分析療法では、「夢」とのかかわりを圧倒的に重要視します。その中で、夢の象徴は人間の心の本能的な部分からの合理的な部分に送られる重要なメッセージ伝達者と位置づけます。夢の一般的な機能は、心全体の平衡性を取り戻させるような夢の材料を提供することで、心理的な平衡を回復させることにあります。本来的に人間に備わる癒し、自然治癒力がそもそも「夢」に表現されていますが、それを解釈し、意識化することで最大限引き出すことができるようになります。

―認知行動療法(Cognitive Behavioral Therapy:CBT)-

認知行動療法は、1970~80年代に行動療法と認知療法の2つの心理療法を融合してできた心理療法の集合体です。痛みによるストレスへの対処方法を変えることで、患者さんが感じている痛みの度合いが変わる場合があります。認知行動療法では、痛みについてどのように考え、どのように対処をしていくかを心理士と話し合いながら、痛みへの不安や、痛みによって阻害されがちな日常生活の問題について一緒に解決していくことを目指します。近年、認知行動療法は、多くの研究でその効果が確認され、世界的に広く認められており、世界の心理療法のスタンダードとなりつつあります。詳しくはこちらをクリックしてください。

―リラクセーション(Relaxation)-

現代はストレス社会と言われるほど、我々現代人は毎日多くのストレスにさらされています。そして、ストレスがたまると、身体や心の緊張が高まり、心身に様々な影響を与えます。例えば、身体や心が緊張していると、痛みを強く感じたりすることがあります。心理士の指導のもとで、呼吸法、筋弛緩法、自律訓練法などのリラクセーションを行うことによって、身体の緊張を解きほぐし、心の安静をもたらすことができます。さらに、患者さんがリラクセーションを繰り返し練習し習得することで、痛みに対するセルフコントロールがしやすくなり、痛みの軽減にもつながります。

-催眠療法(Hypno Therapy)-

催眠療法は、誤解や偏見が多いですが、歴史的には最も古い心理療法であり、痛みのコントロールや不安や恐怖の除去、ストレスの解消などを目的に行います。意識がある状態で行いますので、途中で自分の意思を伝えたり、自分の意にそぐわない場合は中断することもできます。心理士は患者さんの心と身体をリラックスした状態に導き、催眠状況下で患者さん自身が望むイメージに近づけるようにサポートしていきます。

-家族療法(Family Therapy)-

家族療法は、患者さんだけではなく、患者さんのご家族も一緒に同席して、ご家族に関する悩み事を解決していこうとする心理療法です。患者さんにとって、痛みは身体や日常生活での不安や苦痛をもたらしますが、家族にとっても、痛みを抱える家族がいることで、何かしらの不安や困難を抱えていることがあります。これらの問題を家族で協力しながら話し合い、「これからどのように解決して行くか」ということを一緒に考えていくことは、問題解決の第一歩です。家族療法では、心理士が患者さんのご家族の中に入って、ご家族の話し合いのお手伝いをさせていただきます。家族療法は、1940~50年代にアメリカで生まれ、1980年代に日本に紹介されて以来、その効果の高さにより注目を集めています。

-音楽療法 (Music therapy)-

音楽療法は、音楽を聞いたり演奏したりする際の生理的・心理的・社会的な効果を応用して、
心身の健康の回復、向上をはかる事を目的とする補完医療(いずれも「現代西洋医学領域に
おいて、科学的未検証および臨床未応用の医学・医療体系の総称」)。
歌唱や演奏を行う能動的音楽療法と音楽を聴くなどの受動的音楽療法の2つに分かれる

名古屋麻酔科クリニック・免疫療法について
1.オピオイド系鎮痛薬
オピオイドとはアヘンが結合する受容体(オピオイド受容体)に親和性を示す化合物の総称であり、鎮痛薬として外科手術中、術後の疼痛管理から、癌性疼痛、非癌性疼痛まで幅広く痛みのコントロールに使用される。当院でよく用いられているものとして、トラムセット、モルヒネ錠、フェンタニル貼薬などがそれに当たる。 癌性疼痛では、痛みの程度に応じて、疼痛治療の主体となり、患者の満足が得られるまで増量される。 非癌性慢性疼痛においては、癌性疼痛とは異なり、その主目的は痛みをコントロールすることより生活の質や活動量を改善することにある。

2.プレガバリン、ガバペンチン
リリカ、ガバペンのことであるが、興奮性神経伝達物質の遊離を抑制することにより作用を発揮する。とくにリリカは神経障害性疼痛、線維筋痛症などによく用いられており、しびれ症状などには第一選択薬としている。 通常用量では副作用(めまい、ふらつきなど)が出現することがしばしば見かけられるが、極少量でも効果は通常量のときと変わらないことも多く、副作用の心配も少なくなる。ただ、長期服用における副作用(眼の障害、体重増加とくに腹囲の脂肪増加など)には気を付ける必要があると考える。

3.その他の抗けいれん薬
カルバマゼピン(テグレトール)、バルプロ酸(デパケン)、クロナゼパム(リボトリール、ランドセン)などを疼痛治療として用いることがある。 カルバマゼピンは主に三叉神経痛に、バルプロ酸は痛みの背景に躁うつ状態が考えられる際の気分安定化剤として使われる。

4.SSRI、SNRI
脳および脊髄における痛みの下行性抑制系を活性化し、内因性鎮痛機構の制御に関与していると考えられている。慢性痛状態では抑制系、興奮系の不均衡が起き、ひいては中枢感作を引き起こすといわれている。 SSRIは選択的にセロトニンの再取り込み阻害を行い、痛みの下行性抑制系賦活による鎮痛作用をもたらし、デプロメール(ルボックス)、ジェイゾロフト、レクサプロなどがある。 SNRIはセロトニンおよびノルアドレナリンの再取り込みを阻害することで、内因性鎮痛機構の機能障害緩和が期待でき、サインバルタなどがそれに当たる。

5.三環系抗うつ薬
脳および脊髄におけるセロトニン、ノルアドレナリンの再取り込み阻害による痛みの下行性抑制系の活性化および内因性鎮痛機構の制御が最も有力な機序とされている。 神経障害性の痛み全般に有効であり、その高い有効性は様々な神経障害性疼痛に対して認められ、神経障害性疼痛に対する薬剤のうち最も効果が強いとの確かなエビデンスもある。 一方、副作用が強く、使いづらい面もある。

6.NSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)
一般的に炎症を伴う急性痛に有効である。 消化管障害の副作用にはとくに注意が必要であり、漫然と投与を続けることは良くない。 COX-2阻害薬は消化管合併率低いが、虚血性心疾患に注意が必要である。

7.片頭痛の治療薬
片頭痛の予兆時に早期にNSAIDsを服用し、それでも片頭痛が来てしまったときに早めにトリプタン製剤を服用するのが一般的な治療法である。 予防的には、漢方薬(呉茱萸湯)が効果的なことが多い。

8. 院内製剤の外用剤
海外で神経障害性疼痛として評価の高い外用薬がいくつかありますが、日本ではまだ認可がないので、3つほど院内製剤として作って使用しています。0.25%カプサイシン軟膏、0.05%カプサイシン軟膏、10%リドカイン軟膏の3つです。 また、麻薬ですがケタミン軟膏を2種類(0.5%、1.5%)を院内製剤として作って使用しています。 効果も非常に期待されますが、副作用がほぼないことが特に有用の理由でもあります。 これらの軟膏は欲しいといって貰えるものではなく、医師の判断により出されます。





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